KOICHI'S ROOM
初投稿はドラキュラの見どころ3つ!
みなさんこんにちは。
芸術監督の久保綋一です。
この度、『Koichi’s room』という作品の見どころを皆様にお伝えするブログを開設しました!
少しでもNBAバレエ団で上演する作品の魅力が皆様に伝わって
劇場でより一層!楽しんで頂ければと思います。
早速ですが本日は、8月公演『ドラキュラ』についてお話したいと思います。
まず、見どころを3つ。
1つ目はなんと言っても元ノーザンバレエシアター副芸術監督(現ミルウォーキバレエ芸術監督)のマイケル・ピンクによる演出・振付の秀逸さです。
「ドラキュラ」には民族舞踊的なものから、ドラキュラの妖艶な表現、そして2幕のテラスでの軽快なシーンなど、さまざまな場面があるのですが、全く退屈しません。
演出のアイデア、計算されたダンサーの見え方、尺、場面の切り替え方など、どれをとっても素晴らしい。そしてディティールへのこだわりも相当なもので、注がれたワインの飲み方など一つとってもかなり指導を受けた記憶があります。
そんなマイケルですが、普段はユーモアたっぷりな(ブラックも多分にある)大男で、その風貌はまさにドラキュラ。以前来日した際は私と二人で都内観光したこともありました。
2つ目はマイケルの振り付けを支える音楽です。
1954年イギリス生まれの作曲家フィリップ・フィーニーによる音楽はこの作品のために書き下ろされた全く新しいもの。それゆえに音楽と振り付けが完璧なマリアージュを奏でています。
「没入感がすごい」「映画の登場人物のような気分になった」とのアンケートを以前お客様からいただきましたが、演じている側も同じでとても楽しいのです。
その理由のひとつは音楽からくるもので、むしろ音楽が作品を支えていると言っても過言ではないかもしれません。
個人的に好きな楽曲は、1幕の最後ドラキュラとジョナサンによる男同士のパドドゥ、そして3幕のアンデッドたちによる群舞のシーンです。
3幕のアンデットのシーン
3つ目は美術です。
デザイナーのレズ・ブラザーストンはマシュー・ボーン作品などでも有名ですが、「ドラキュラ」でもその才能を遺憾無く発揮していると言えるでしょう。
その美しさ、妖しさもさることながら、作中に登場する巨大な螺旋階段を幕によって違う場所に設置されることにより、舞台という限られたスペースの中で場面の違いをいかに表現するか、というアイデアなどにも注目です。
また照明デザインも素晴らしく、エミー賞(アメリカのテレビ業界の功績に与えられる賞)受賞5回を誇り、スーパーボウルのハーフタイムショーの照明も担当するデビッド・グリルが手がけています。
まさに各業界の一線級メンバーが集い、大人の鑑賞に耐えうる、ホラーバレエというジャンルを開拓した本作。
その没入感を高めるために練られた演出と振付、だからこそ1996年の初演以来、観客から支持され続けているのでしょうね。
今回の「ドラキュラ」では、英国ロイヤルバレエ団プリンシパルの平野亮一(5日18時)、元英国バーミンガムロイヤルバレエ団プリンシパル厚地康雄(5日13時)をゲストとして迎え、N B Aバレエ団からは刑部星矢(6日16時)が初挑戦します。
良いお席は早期に売り切れてしまう可能性があるので、是非お早めにご購入ください!
それではドラキュラ城でみなさまをお待ちしております。